9月9日は”重陽の節句”
重陽の節句をご存知でしょうか?
9月9日は、五節句(1/7人日・3/3上巳・5/5端午・7/7七夕・9/9重陽)のしめくくり「重陽の節句」とされています。
古来、中国では奇数は“陽”の数字(1・3・5・7・9)とされ、とくに最大の陽数「9」が重なるこの日は、生命力が満ちると同時に“気”が強すぎる日とも考えられて、邪気を祓い長寿を願う行事が生まれました。
これが平安時代に日本へ伝わり、菊を愛で、菊酒を嗜み、長寿と無病息災を祈る「菊の節句」として広まりました💐
日本での風習には、前夜に菊の花に真綿をのせて朝露や花の香りを移し、その綿で体を拭いて若返りを願う「被せ綿(きせわた)」、香り高い菊の花びらを酒に浮かべる「菊酒」、そして食用菊のおひたしや、収穫の実りを祝う栗ごはん(“栗の節句”と呼ぶ地域も)などがあります🇯🇵✨
秋の深まりとともに、清々しい香りと凛とした佇まいをもつ菊に、長寿や清浄の願いを重ねる——それが重陽の節句です💐
菊ってどんな花?
フラワーショップでは「マム(Mum)」という名前で親しまれる菊。和のイメージだけでなく、モダンなインテリアやブライダルでも大活躍!いくつか代表的なタイプをご紹介します。
- ピンポンマム
ころんとした球状の花姿が愛らしい小輪〜中輪タイプ。白・グリーン・イエロー・ピンクなど色幅が広く、長く楽しめる日持ちも魅力。和装にも洋装にも合い、ギフトやヘアアクセにも人気です。

- デコラマム(Decorative)
花弁が幾重にも重なる大輪系。ふっくらとボリュームが出て、一輪で主役級の存在感。シックな色合いを選べばアンティーク調に、鮮やかな色ならドラマティックに仕上がります。

- スパイダーマム(クィル/アナスタシア系)
細長い花弁が放射状にのびる個性派。線の美しさが生きるため、スタイリッシュなアレンジやフォトジェニックな装飾に最適です。

- スプレーマム(枝分かれ咲き)/サンティニ
1本に複数の小花がつくタイプ。ラフに束ねるだけで可憐なボリュームが出て、ブーケの埋め草にも、主役の引き立て役にも万能。
- 昔ながらの“和菊”
おなじみの大輪菊は、花弁が内側に巻き込む「厚物」、細管状の花弁がシャープな「管物」、平たく広がる「広物」などに分かれます。ほかにも、糸のように細い花弁が優雅な嵯峨菊、反り返る花弁の造形美が見事な江戸菊、しだれるように流れる花姿の伊勢菊など、日本独自の美意識を映す品種群も魅力。凛とした立ち姿は、まさに“秋の主役”です。
なぜ菊は家紋や紋章に選ばれたの?
菊は清浄・高貴・長寿の象徴。太陽のように放射する花弁は光明を連想させ、邪気を祓う力があると信じられてきました。日本では皇室の「菊花紋章(十六八重表菊)」が広く知られ、格調高いシンボルとして受け継がれています(日本のパスポートにも菊花紋があしらわれています)✈️
武家や公家の家紋にもさまざまな菊紋が用いられ、気品と吉祥を表すモチーフとして長く愛されてきました😌
重陽の節句は、秋の澄んだ空気とともに、心身を整え、長寿を願う一日。菊は「昔の仏花」の枠を超え、和にも洋にも映える万能なお花になっています。可愛いピンポン、迫力のデコラ、軽やかなスプレー、端正な和菊——あなたの“好き”に寄り添う一輪が、きっと見つかります
菊と聞くとお供えのイメージが最初に思い浮かぶかと思いますが、いまはたくさんの咲き方や色や種類があります。菊は持ちもいいし普段使いもできる子達がたくさんいます。今年の重陽の節句には、お気に入りの1本の菊を一輪挿しに入れて飾ってみてはいかがでしょうか?また、デコラマムを主役に、野の枝物や秋の実ものを合わせれば、凛として今っぽい秋のアレンジに。ギフトにもおすすめです🎁✨
季節の行事を暮らしに迎え入れると、日々のリズムがやさしく整います。
9月9日は、重陽の節句を、あなたらしいスタイルで楽しんでみませんか?😊